外国人に通用しない職場の常識

外国人 職場 常識

こんにちは!
ヒトトセ編集室です。

前回は外国のお客様・従業員との対応術についてお話をさせていただきましたが、皆さんにお役に立ちましたか?
では、今回は職場で外国人に通用しないかもしれない4つのジャパニーズスタイルを紹介していきたいと思います。

マニュアルに沿った研修

多く日本の企業は色んなマニュアルを作ります。従業員が入社(職)後に一番初めに行う研修で様々なマニュアルを配られており、それに沿って講師は研修を行うというケースは日本人にとってごく普通です。

でも、外国の従業員は本当はどう感じているのでしょうか?

とあるツテで、一部外国人従業員の本音を聞いてきました。

「マニュアルが多すぎて、どれも重要だと言われ、どれが目の前の仕事に一番必要なのかが分かりません」
「研修はマニュアルをそのまま読み上げるだけで、具体的な事例がなく分かりづらい。結局中途半端のままで仕事を始めました」
「結局職場で先輩たちのやり方を真似し、自分で模索しながら仕事をこなします」

などなど……
このような意見は、実は多くの外国人従業員が抱えています。

日本人にとっては、抽象的で一方的な話をされる研修形式は当たり前のことですが、外国の方からすると全く意味なく、むしろ時間の無駄だと感じる傾向にあります。彼らは職場で実施することを明確に教えてほしいと感じているのです。
教科書のような理論的な知識しか書いていないマニュアルは要らない、つまり実用性を重視しています。とはいえ、ルールの周知や知識・意識の共有が先でしょう、と思われることでしょう。

では外国の方はどのような研修を望んでいるのか、ここでいくつのポイントを纏めてみました。

・重要性の優先順位を明確に
・実例(ダメな例を重点的に)を加えながら説明を行う
・誰でも分かる理論的なもの(例:時間を守るなど)を省く
・質問しやすい雰囲気にする

これらをふまえて研修することで、相互理解をよりよく進めることができるでしょう。

日本流のコミュニケーションで大丈夫?

日本人的なコミュニケーション術は『推測+期待+テレパシー』だと言われています。

「こうかな?」と相手の気持ちを推測し、「こうしてほしい」という期待を込めて、自分の意思を態度や表情で、それとなく相手に伝えるのが日本人流だそうです。こうして「空気」という言葉も生まれました。

自分の気持ちをはっきり口に出さず、態度や雰囲気でそれとなく相手に分かってもらおうとします。
この方法で日本人同士の意思疎通が取れるのは、日本という同じ環境で育ってきているからです。
しかし同じことを外国の方に求めると、問題に発展してしまいます。

「言うことがよく分かりません」
「一体何を言いたいのでしょうか?」
「質問に対して正面から答えてほしい」・・・
このような泣き言を外国の方から聞いたことあるでしょうか?

外国の方と接するとき、いくら日本語が上手な方でも日本流の「空気読み」でコミュニケーションしようとせず、言いたいことをその都度はっきり伝えることが一番大切です!

皆さん、分かりやすい言葉で意思疎通してみましょう。

日本の『恥の文化』

日本人は「羞恥心」が強く、「本当の自分を他の人に見せることができない」という話を聞いたことがありませんか?

しかし日本人にとって、「恥」は人前で嘲笑されたときの「恥辱」ばかりではなく、人前で褒められたときにも覚える「羞恥」があります。
自分の弱さを見せたら、嫌われるのではないかと思う一方、強みを見せることも避けようと努めています。
己の状態を隠して、周囲と同じように振る舞う、あるいは偽りの個性を表すことで別の自分を作り上げている日本人が周りにたくさんいます!

このような他者から注目を集められた際に、恥じらいを覚える生態を、ほとんどの外国の方は理解できません。

大半の外国の方は逆です。

自分の良いところを人に見せ、アピールすることでいろんなチャンスが増え、自分自身に自信を持たせると思っています。

ミーティング中に自分一人だけが持っている考え方・見解でも手を挙げて、一生懸命に述べ、同じ見方になれる人を味方に引き入れることは海外の会社において良く見られるシーンです。

結果はそれぞれですが、大体の人は自分の才能、仕事に対する情熱さを見せることによって、会社に注目されると言われています。

もしあなたの職場にこのような粘り強く自己主張する外国の方が居れば、まずはその姿勢を素直に認めてあげましょう。

不思議・奇妙だと思われる日本の集団的行為

日本の企業でよくある朝礼や夕礼、社是(訓)の唱和などの行為を、多くの外国の方は不思議だと思っています。

「特に有意義な話ではないのに、わざと全員を集め、宗教・洗脳のようにしか見えないわ」と冗談っぽく言っている外国の方も居ます。

恐らくその裏には日本人昔から持っている「ムラ意識」の影響ではないかと考えられます。
情況倫理が働く日本社会では、集団の物の見方で行為への評価が違ってしまいます。「特定の物の見方」に支配された集団に放り込まれ、最終的な物事の見方に個が流されるという図式です。

ここで一番行われる行為「朝礼」を例としてみましょう。

多くの企業では、朝礼の目的を『教育と訓練の場』としているかと思います。

 ・会社の経営理念を浸透させる場
 ・挨拶やコミュニケーションの習慣をつける場
 ・毎日の連絡報告の場
 ・目標の進捗状況の確認の場
 ・仲間意識、連帯感を育てる場
 ・人前で話す練習の場
 ・従業員教育の場

しかし、「心に響かないスピーチ」、「従業員にやる気が感じられない、締まりのない朝礼」、「話が長い」、「企業理念・社是・社訓をみんなで唱和するだけで、想いが従業員に浸透しない」、「挨拶・整理整頓などスローガンを唱和するが誰も守っていない」・・・
様々な愚痴を外国の方だけではなく、日本人の従業員もこっそりとこぼしています。

朝礼は日本企業独特な風習であり、本来の目的が実現できればとても素晴らしいものです。

しかし、大事なのは従業員たちが一体どのような朝礼を期待しているのかをしっかりと把握しなければなりません。

📌注意すべき点は4つあるそうです。
・マンネリ化しない
・考える機会をつくる
・信頼をつくる
・感謝の気持ちを育てる

この4つのことを満たす朝礼になれば、きっと日本人でも、外国人でも文句が出る事はないでしょう。

また、この4つの注意点を掘り下げると色々なやり方ができそうですね。
これらに関してはまた別の機会に考えてみたいと思います。

それでは今回は職場で外国人に通用しないかもしれない4つの常識についてのお話でした。

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