【外国人の社員必見】日本流のビジネスマナー

外国人の働く皆さんに向けた、日本なりのビジネスマナー、暗黙のルール、仕事の姿勢

皆さん、こんにちは!
ヒトトセ編集室のシンです。

突然ですが、過去勤めていた職場で起こった、ある恥ずかしいことをお話しします。
私が入社した日のことです。

「お電話ありがとうございます。(社名)のシンです。」オフィスに留守中の私が一本の電話に出ました。
「お世話になっております。○○○○社の△△です。渡辺さんはいらっしゃいますか?」と電話の向こうは、同部署の渡辺さんを指名していました。

私はすぐに渡辺さんの席のところを見渡しましたが、あいにく本人は席に居ませんでした。
そのため、電話の相手に「大変申し訳ないですが、ただいま渡辺さんは席を外しておりまして、戻り次第にこちらから折り返し連絡を差し上げてよろしいでしょうか?」と既に慣れているビジネス的な対応をして、電話を切りました。

そのとき、隣に居た同僚のA子は小さい声で「シンさん、さっきの電話での日本語少し変だよ」と私に注意しました。

「えっ!!?そうなんですか?どこか言い間違えた?」私はとてもびっくり、ショックしました。
自分は完璧な日本語を使っていると思ったわけです。このような電話対応は、身に付けてからもう既に半年が経っています。

早速A子に聞きました。

「シンさんはさっき渡辺さんと相手に言いましたよね。でも渡辺さんは身内の人だから、よその人に話すとき”さん”を付けないのが普通です。
A子は丁寧に教えてくれました。そして私の理解を深めるために、言及された身内の人の役職に関わらず、社長でも外部の人に話すときは「さん」を付けず苗字のみである、と説明しました。

なるほど~

今まで誰もこのマナーを教えてくれたことがなく、もちろん語学学校でも教わっていなかったのです。でもよく考えたら、学校では基本的に先生と生徒・生徒と生徒との間の関係だけだから、当然に「さん」を付けなければならないのです。

社会人になると、色々な人間関係を持ちます。その際、相手と自分の関係や相手の年齢・職業などによって呼び方が変わります。

でもほとんどの学校ではそのことを教えません。日本人ならば、小さい頃から聞き慣れたり見慣れたりしているうちに自然とそのマナーを覚えてしまいます。
その一方、外国人はそういう感性がないため、勉強熱心な人とか、繊細な人に限り、人に教えてもらわない限りなかなか分かりません。

このように、日本人にとっては当然に知っているが、外国人の場合はそうともいかない社会人のビジネスマナーがたくさんあります。彼らは知らないままで日本人のみなさんと一緒にお仕事をしています。
コミュニケーションには問題がなくても、ビジネスマンとしては若干物足りないという状態であったり、場合によって知らないうちにクライアントに失礼なことをしてしまうかもしれません。

よって、今回は外国人の働く皆さんに向けた、日本なりのビジネスマナー、暗黙のルール、仕事の姿勢をいくつか紹介したいと思います。

日本人の皆さんも一緒に読んで頂き、もしあなたの職場に外国人の同僚が居れば、彼らからこのような些細な違和感を感じた言葉・行動があるときに、その場で教えてあげて、また理解してあげてください。

個人能力よりもチームワークが重視、結果よりも過程が大切

日本の企業は従業員個人の発信力よりは「調整力」や「根回し」が重要視されます。「空気を読む」「融通を利かせる」など互いに思惑を察することで自分が何をすべきか把握し、動くことが良いとされます。

また、日本人の「団体意識」の影響によって、「グループ」での成果が大きな意味を持ちます。そのため、リーダーを中心としてサブリーダー、マネージャー、現場での実働部隊などの役割が明確にされており、グループ単位での実績が重要視されます。

ストレートな言い方よりも、それとなく断ったり、教えたりすることにより人間関係が築きやすくなりますので、公の場において、個人レベルでの主張や発信などを抑えた方が良いかもしれないですね。

日本人はより正確であることが重視されており、ほぼ確実に100%できることでないと「できる」と言いません。「できる」と言ってできないことは良くないことと取られるからでしょう。

その代わりに、ことを遂げるまでの努力、仕事ぶりが評価されます。結果は100%なっていなくても、十分な準備・調査・進行などを行ったあなたはきっと会社や上司に認められます。
今回失敗しても積んだ経験を次に活かせて、これからはこなせると上司は期待感を持っていると考えられます。

会議は意見収集のためではなく、意識統一が目的

日本の会社の会議は儀礼化、定例化してしまうことが多いです。非常に形式を重んじ、上役の意見が極端に重要視されています。
そのために活発に議論したり、ディスカッションすることなどがほとんどありません。メンバーの意識の統一を目的とした会合になることが多いです。

意見/アドバスを収集したい場合、正式な会議をする前に行いましょう。また、その結果・提案を用意してから会議に臨むようにしてみましょう。

目上の人や上司、先輩を敬うことが一般的

この点について皆さんは何となく感じられているかと思います。

例え、会食での座席やタクシーなどの乗車位置、エレベーターの乗り方まで「上座」があり、肩書きや役職の順に座る位置が決まっています。
それに対して欧米では目上の人よりも女性を優先する、何でもレディーファーストとの認識が大きく異なっています。

では「上座」「下座」の判断についてインターネット上にたくさん出ていますが、こちらは一番基本となる席次の判断方法を紹介します。

➀会議や接待などの種類を問わず、出入口に一番近い席が下座となり、そこから一番遠い席が上座となります。
ただし、例外として部屋に絵が飾られている場合や外の景色が綺麗な場合は、絵や景色を正面から見ることができる位置が上座です。目上の人に景色を楽しんでもらおう、という心遣いによるものです。
また、事務スペースの一角にある応接コーナーの場合は、デスクに近い方が下席になります。目上の人がデスクに背を向けて座る形にならないように配慮しましょう。

会議室にお客さまを招く場合は、会議室の入り口から遠い側の列の中央の席が上座です。自社側も同様の順で、入り口に近い側の列に座ります。
もし、席を指定された場合は、指定された場所に座ります。指定されない場合は、下座に座り、勧められたら上座に座りましょう。
会議中であっても、同行した上役が離席するときと、先方の上役が離席する時には立ちあがって挨拶をします。また、長い机に何人も並んで着席する場合は、社長(最上位者)が真ん中の席に座る事もあります。
椅子よりもソファーのほうが上座になります。そして、ソファーの場合は真ん中ではなく一番奥が上座となるので注意してください。

エレベーターでの席次は操作パネルのある側の奥側が上座で、次に操作パネルのない側の奥となり、下座は操作パネルの前となります。
また、お客様をエレベーターにご案内する時は、先にエレベーターに乗り込み、「開く」のボタンを押してお客様を招き入れます。
先にお客様に乗っていただく場合は、外のエレベーターのボタンを押してお客様をご案内します。

の場合は、運転席の後ろが上座になります。後部座席に3名で座るときは、中央がもっとも下座となります。
また、上記が原則の席次ではありますが、特にタクシーの場合、後部座席に3名のときは上座が乗り降りしづらいという問題があります。
そのため、乗車の前に本人の意向を確認しておくと、より丁寧な印象になります。

ちなみに、社内の順番は役職→社歴→年齢、この3つで決まります。一番に考えるのが役職です。
同じ役職の場合は社歴を見ます。役職も社歴も同じ場合は、年齢です。

メールは定型文に沿って作成

日本のビジネスメールには、独特な定型文があります。

冒頭のあいさつや様々な言い回し、企業や業種ごとの独特なマナーなどもあり、複雑なルールを守れていないと失礼に当たると見られる場合もあります。
そんな中に特に重視されているのが敬称敬語の使いです。
敬語の使い方にはまだ自信がない方は、是非日本人の同僚にチェックしてもらってから送信しましょう。

そのほか、複数名の方に送信する場合は宛先欄に役職順で前後に並びます。
もし自分も入る場合、役職に関係なく自分の名前は必ず最後にします

挨拶と挨拶の仕方

日本の企業において、挨拶と挨拶の仕方が非常に重要とされています。

社内では出退勤時のみならず、外出時や帰社時、外出先で取引先の社員に会った場合などにも挨拶が必要です。

建物前、または廊下などで通り過ぎるときにもきちんと挨拶してください。場合によって、相手が目上の人でしたら立ち止まった挨拶がより丁寧に見られます。

また、挨拶の際に相手とアイコンタクトを取りながら笑顔/明るい表情で、大きい声出しましょう

身嗜みの心掛け

日本のビジネスシーンにおける「身嗜み」も外国人社員に分かってもらわなければならない文化・習慣の一つです。

明確な規定がなくても、男性の服装はスーツ(夏にクールビズを導入する会社はYシャツのみで大丈夫)、そしてネクタイを付けます。
女性の場合は比較的自由度が高いとはいえ会社ごとにある程度のルールがあります。

もちろん業種により、ビジネスカジュアル系でも良い会社があります。でも基本的にラフな格好ではよろしくありません。

例えば、ジーパンとか、Tシャツなどで出社することはあり得ないというところがほとんどです。
また通勤靴は基本的にビジネスシューズ。女性の場合はヒールがあるものと一般的に認識されています(スニーカーではないフラット革靴は良い)。

服装以外に髪型・色、そして男性は髭、女性はネイル等些細なところも注意しなければならないです。
男性の長髪は認められない会社が多いでしょう。女性の前髪は目にかからない程度のほうが一般的ですね。
また、髪色を染める人は、9番の色を目安にしましょう。

会社により、ネイルは完全に禁止するところとオッケーなところもあります。大丈夫と言ってもやはりシンプルで、ナチュラル系の色を選んだ方が無難ですね。

ただ、いくらクールビズとか、ビジネスカジュアルとか、ナチュラルなどと言っても、入社まだ一年目の新人はこれから気を引き締めて、仕事を精一杯頑張るという姿勢を示すためにも、正装で出社したほうが良い印象を持たれるでしょう。

厳しく時間管理

日本の社会では、「時間を守らない人は信用が低い」という意識があり、プライベートでも仕事でも、他人と約束した「時間(=物事を開始する時間)を守る」行動習慣が定着しているとの話は良く聞いていますよね。

但し、約束の時間を守るだけではなく、仕事の進捗具合などの時間管理も非常に大事なことです!
多く日本の会社はそれぞれの従業員のスケジュール登録・管理ツールを設けてあります。予め自分の予定を登録することで、上司は部下の業務進捗把握またはマネジメントができるし、同僚の間のサポートもしやすくなります。

そのために、登録したスケジュールに変更がある場合、忘れずに必ずその都度に修正を行ってください。

それでは、今回は外国人従業員の立場でお話をさせて頂きましたが、如何でしたか?

色々な違いがあり大変だな、と感じるかもしれませんが、心がけることで何倍もコミュニケーションがとりやすくなります。
楽しく仕事をするためにも、頑張って覚えていきましょう!

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この記事を書いた人

ヒトトセ編集室 S
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多角的視点の記事を手掛ける。

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