離職は損失!新人アルバイトやスタッフが安心する職場づくり

この記事は株式会社チェッカーサポート代表・伏見啓史にインタビュー(2023/03)を行い、ヒトトセにて編集したものです。

春はスタートの季節

気温の暖かい日が続き、ようやく春シーズンの到来です。3月~4月はパート・アルバイトの求人・採用が隆盛を極め、人の入れ替わり対応に奔走する時期と言えるでしょう。
特に近年は求職者が比較的自由に職場を選択することができる売り手市場であり、離職に対するハードルは低い状態です。
長い時間と費用をかけてようやく採用に至ったパート・アルバイトがすぐに離職してしまう、なかなか定着しないという悩みは特に小売業界で多く挙がる苦慮のひとつです。
そこでパート・アルバイトの方々に定着して長く働いてもらうための手法を調べてみると大体次のような内容が提示されます。

・雇用側のマネジメントスキルを向上させる
・労働時間管理をしっかり行う
・ストレスケアを実施する
・メンター制度を活用する
・コミュニケーションを活性化させる

実際この通りではありますが、実践するにはもう少し現場に寄り添った表現でないと難しい内容です。ここからはチェッカーサポート創立当初より小売りの現場で私が実際に直面し、
試行錯誤の末にたどり着いた離職防止のスキルを軸に、採用費用の抑止と安定した職場作りの為のポイントをご紹介していきます。

アルバイトの採用にかかる費用

2023年(令和5年)1月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.35倍。前月の12月を0.1ポイント下回り、前年の1月を0.17ポイント上回りました(厚生労働省調べ)。
求職者に対して求人数の数が多く、前述の通り売り手市場です。パート・アルバイトの求職者は一度就職しても「合わない」と感じれば簡単に辞めてしまう可能性が高い状態です。
しかし企業側としてはこの採用に大きな費用をかけています。
弊社における平均採用単価は約6万超、また採用した直後の教育・研修による費用を合わせれば一人当たり7万円程にのぼると出ています。

前提の心構え

純利益で7万円を生み出すための労力を考えてみると、この採用費用がいかに貴重であるかが伺えます。まず、この費用をかけて採用できたパート・アルバイトを絶対に守る、
貴重な宝であるという意識を持つことを推奨します。売上の向上、利益獲得の為の施策を打ち出す事と同様に捉え、微に入り細を穿つ取り組みを行わなければいけません。

辞めたい理由をふりかえる

さてその取り組みをする前に新規スタッフがなぜ離職するのか、その理由を抑えねばなりません。
バイトを離職した経験をもつ500人(女性374人/男性126人)に調査した離職理由を見てみましょう。

アルバイトを辞めた理由ランキングの1位はダントツの回答数で「バイト先の人間関係が悪い(125人)」でした。
2位「卒業・進学・就職のため(72人)」、3位「学業に専念するため(49人)」は、学生バイトならではの離職理由がランクイン。
続く4位には「仕事内容が合わない(41人)」、5位「他の仕事をしたくなった(40人)」など、仕事内容に関わる理由が入りました。

出展:アルバイトを辞めた理由や辞めるときの伝え方は?男女500人アンケート調査
https://bizhits.co.jp/media/archives/10308

調査結果と同様、現場に出ていて直面する離職理由は「人間関係」です。ついで「職場の雰囲気」、「頑張れると思えるかどうか」「安心感があるか」等が離職の判断基準にされていると感じます。
そこで新規スタッフに定着してもらうためのケアを進める必要があります。

入職直後~1週間にすべきケア

新規スタッフを離職させないために行うケアは入職直後~1週間までが最大の山場です。
この期間、新規スタッフは不安と緊張の中業務にあたるため緩和させるようなコミュニケーションを心がけます。主な取り組みは次です。

・呼びかけ(会話の際は必ず相手の名前を呼ぶ)
会話の際、隅々に相手の名前を呼びかけることを「ネームコーリング」といいます。
例えば挨拶の場面では
「おはよう」「おはようございます」と済ませていることがほとんどだと思いますが
「〇〇さん、おはよう」「おはようございます」
というように会話の冒頭や末尾に相手の名前を織り交ぜることで親近感が沸くという心理的な効果があります。

・研修時の声掛けを強化する
研修時にかける呼びかけ、声掛けは「かけすぎ」になることはありません。
センテンスごとに「ここまで問題ありませんか?」「わからないところありますか?」など頻繁に問いかけ、一方的な研修になることを防ぎます。

・ありがとうの常用
人は感謝の言葉に対してこころが満たされます。「今日は寒いのに来てくれてありがとう」「混んでいる時間帯に出てくれてありがとう」など、
会話の際にさりげなく「ありがとう」を添えるようにします。「雇われているのだから働いて当然」「仕事して当たり前」という気持ちを持っていると、
にじみ出て伝わります。新規スタッフに「今日来てよかった」と帰り道で思ってもらえるようにしたいものです。

・休憩時の声かけ
新規スタッフの精神的状態を左右するのが休憩時間です。休憩といってもどのように休憩を取ればいいか、どこへいけばいいかわからないことが多いため冒頭でしっかりとフォローします。
「休憩は休憩室で」と一言伝えるだけでは不親切です。はじめはフォロー役を立て、新規スタッフの休憩に同行できるようシフト及びローテーションを組むとよいでしょう。
また同行するスタッフは聞き上手で穏やかなスタッフの方が担当できるとベストです。

・出勤時・退勤時の声かけを強化する
はじまりとおわりの挨拶及び状態の声掛けは欠かさず行います。身だしなみチェックや引継ぎなどの業務だけで済ませるのではなく、
健康状態を聞く・雑談を織り交ぜるなどして緊張をほぐします。既存スタッフは新人スタッフに対して必ず全員声かけをするようにおねがいするのもよいでしょう。
また退勤時にはその日の感想や心の状態を聞くことも有効です。立ち仕事の場合足腰への負担をつらく感じている場合が多く散見されます。
「もう数日で足は慣れてくる」「大丈夫」など共感及び寄り添いの言葉をかけるようにします。

さいごに

重要なのは新規スタッフに「目を配られている」と感じてもらい、安心感を与えることです。
少々過剰なケアのように思えるかもしれません。しかし入職直後のスタッフはそれ以上に緊張し、ストレスを抱えています。
従って、環境に早く慣れてもらうという名目でスパルタOJTをすることや、見て学んでもらうといった厳しい教育をすることは絶対にお勧めしません。
優しく寄り添い、ほめて伸ばし、励ましあう職場をつくることが今の時代には適しています。

もちろん細やかなフォローやケアは労を要します。
しかしそうでないといけないほど費用はかかっているということを念頭に置き、新規スタッフにしっかりと定着してもらいましょう。
チェッカーサポートでは長年あらゆる現場で研鑽されたコミュニケーション指導方法のノウハウがあります。

また複数のエリアで一括委託していただくことで慢性的な人手不足を解消するなど様々なご提案をご用意しておりますので、人材確保にお悩みのお客様はぜひ一度ご相談ください。

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この記事を書いた人

ヒトトセ編集室 A
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