勘違いされやすい!?定義からみる「日本最初の株式会社」
過去にクイズ番組で、「日本最初の株式会社は?」というのがあり、回答が「坂本龍馬がつくった亀山社中(のちの海援隊)」と。
番組での答えは正解!
しかし、私はもともと大学の教員として、会社法・企業法を専攻していましたが、「ちょっと違うなぁ」と思っていました。
「日本最初の株式会社」は、ちょっと違う?
というのは株式会社というのは定義として、「細分化された社員権(株式)を有する株主から有限責任の下に資金を調達して株主から委任を受けた経営者が事業を行い、利益を株主に配当する、「法人格」を有する会社形態の1つ」とされています。つまり、お金を出資させて、経営は専門家にまかせて、利益をお返しするという構図をとるかというお話です。
つまり、確かに亀山社中は慶応元年(1865)、薩摩藩や小曽根家の援助を受け、ビジネスをしてはいましたが、目的が株式会社のような利益の分配目的でつくられたものではないことと、私設の軍隊であったことなども考えると、龍馬が、「カンパニー」と言っていた商社の類ではあったけども、「株式会社」とは言えないという結論になります。
学問的な観点からみた「日本最初の株式会社」とは?
では、学問的に日本最初の株式会社はというと亀山社中設立から8年後の1873(明治6年)年6月11日設立の第一国立銀行です。今のみずほ銀行です。株式発行、取締役の設置、会計の制度を整えていました。
じゃあ、そうすると、クイズ番組としては、「日本最初の会社は?」だと、この答えは合っていることになるのでしょうか。
毎度学問的な言い方で恐縮ですが、日本最初の会社ということになると「兵庫商社」ということとなるかもしれません。定款や役員など限りなく株式会社に近い形態でした。ただ、設立が1867年になっているので、亀山社中より後です。しかし、そもそも、亀山社中を日本最初の「株式会社」だと発表していた経済学者の坂本藤良教授が、「兵庫商社が最初っぽい!」と修正したのです。まあ、もっとも、坂本教授は「株式会社」として考えると、兵庫商社の方が先と言っているだけで、限定的に、日本で最初の会社みたいなものってやれば亀山社中でいいのかもしれませんね。
私も心の中では、坂本龍馬が日本初であって欲しいと思いながら。。。。書いてしまいました。
コロナ渦での在宅勤務にて
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