きつい態度のベテランスタッフへどう注意する?

まもなく梅雨の足音が聞こえてきそうな昨今ですが、ご体調などいかがでしょうか?
春から入職・退職、新人スタッフの受け入れや教育…などで忙しくされていると思います。しかし、まさにやっと迎えた新人さんが、辞めていってしまった!と慌てるのもこの時期が多いですよね。
いつものスタッフさんたちのおかげで日々回ってはいるものの、新人さんが定着しない…この悩みは私がかつて管理していた小売のお店でも常にある悩みでした。そこで他の管理者やスタッフからの声なども聴き、いくつかの原因が共通項として挙がったのです。
それは、「当たりの強い・態度がきついベテランスタッフが居る」ということ。
この場合、例え仕事ができるスタッフであっても、チーム全体の士気や協力体制に影響が出るため、適切に注意・フォロー対応する必要があります。皆さんもそんなスタッフへの伝え方などで困った経験があるのではないでしょうか?
今回はよくあるケースの上位にはいる「 リーダー的位置にいる/ベテランスタッフの態度・言い方がきつい」、そしてほかのスタッフからそれに対してクレームや批判等が出ている、すぐ離職してしまうという場合、どのように注意するか?その方法を考えてみましょう。新人離職理由のすべてがこれという訳ではありませんが、ひとつの対策として参考になれば幸いです。
 

事前準備・状況把握

退職するスタッフからの聞き取りやスタッフからのクレームがあがってきたとしても、まずは実際の様子を観察し、その他スタッフの意見をよく聞き取りましょう。
  • 観察と情報収集:リーダーのどのような態度や発言が問題か、具体的な事例を収集。誰がどのように感じているのか、どの程度影響が出ているのかを把握。
  • 客観性を保つ:感情的にならず、チーム全体の利益や職場の雰囲気を改善する視点でアプローチを考える。
  • タイミングを選ぶ:忙しい時間帯を避け、落ち着いて話せる1対1の場を用意。
 
そして実際に伝える際のポイントは次です。
ステップごとに話を進め、相手に建設的に伝えることを目指します。リーダーの仕事の成果を認めつつ、問題点を明確に伝えます。

建設的注意のステップ 

ステップ1:感謝と肯定から始める
相手の貢献を認め、信頼関係を築く。
例: 「〇〇さん、いつも仕事でリーダーシップを発揮してくれて、チームの成果にすごく貢献してくれてるよね。そこは本当に感謝してるよ」
 
ステップ2:問題点を具体的に、客観的に伝える
「あなたが悪い」という印象を与えないよう、「状況」や「影響」に焦点を当てます。そして事前調査から得た具体例を挙げて、どの行動がどう受け取られているかを説明します。
例: 「ただ、最近アルバイトのメンバーから、〇〇さんの言い方や指示の出し方が少しきついと感じることがあるって声が上がってるんだ。例えば、〇〇の時に『〇〇って言わないでほしい』とか、強い口調に感じる場面があったみたい」
 
ステップ3:影響を伝える
チーム全体への影響を強調し、改善の必要性を共有、目線合わせをします。
例: 「そういう時、みんなが少し萎縮してしまって、チームの雰囲気が硬くなったり、コミュニケーションが取りづらくなることがあるんだよね。〇〇さんのリーダーシップは本当に大事だから、みんながもっと働きやすい環境だと、さらにチームが強くなると思う」
 
ステップ4:改善案を提案し、協力を求める
具体的な改善方法を提案しつつ、相手の意見もしっかりと聞くようにしましょう。
例: 「例えば、指示を出す時に少し柔らかい表現にしたり、みんなの意見を聞く時間を増やすとどうかな? 〇〇さんならではの強みを活かしつつ、チーム全体がもっと一体感を持てるようにしたいんだけど、どう思う?」
 
ステップ5:サポートを約束する
最終的なまとめとして、相手が孤立しないようにしっかりと協力する姿勢を見せましょう。
例:「もし何か具体的にサポートできることがあったら、いつでも言ってね。みんなでいい職場を作っていきたいからさ!」

注意点とNGワード

上記を行う際に気を付けておくべき点とNGワードを確認しておきましょう。
 
①人格や性格を否定する言葉
: 「あなたは冷たい」「威圧的」「怖い」「嫌な態度」「高圧的」
これらの言葉は、リーダーの行動ではなく人格や性格そのものを否定する印象を与えます。仕事ができる人ほど、こうした批判に反発したり、防御的になったりする可能性が高いといえます。また、感情的な対立を招きやすく、建設的な会話が難しくなります。
代わりに使える表現としては…
「〇〇さんの指示が、ちょっと強い印象を与えることがあるみたい」
「忙しい時に、言い方が少し厳しく聞こえる場面があるみたい」
(具体例を挙げて)「あの時の〇〇という言葉が、みんなにプレッシャーを感じさせたみたい」
 
②決めつけや断定的な表現
: 「いつも」「絶対に」「みんなが嫌ってる」「完全に間違ってる」
上記の言葉は、問題を誇張して伝えるため、相手が「そこまでひどくない」と反発する可能性があります。また、「みんなが嫌ってる」は主観的で攻撃的に聞こえ、信頼関係を損なうリスクがあります。
代わりに使える表現としては…
「最近、〇〇の場面で気になる声が上がってるんだ」
「一部のメンバーが、〇〇さんの言い方をきつく感じることがあるみたい」
「ときどき、〇〇の時に強い印象を与えることがあるみたい」
 
③ 上から口調
: 「やめて」「直しなさい」「変えなさい」「ダメだから」
理由: リーダーは仕事ができる分、対等な立場や尊敬を求める傾向があります。命令口調や上から目線の言葉は、相手のプライドを傷つけ、反感を買う可能性があります。
代わりに使える表現としては…
「もっとこうしたら、チームの雰囲気が良くなるかもしれないね」
「〇〇さんの強みを活かしつつ、こういう伝え方にしてみるとどうかな?」
「チーム全体で働きやすい環境にするために、こんなアイデアはどう思う?」
 
 その他の注意点として、感情的なトーンを避け、表情も暗くなりすぎたり眉間にしわを寄せたりしないようにしましょう。個人攻撃に見える比較を避け、「〇〇さんより他の人の方が優しい」などの比較は、嫉妬や対立を引き起こすので避けましょう。
また過度な謝罪や「本当に申し訳ないんだけど…」と過剰に下手に出ると、相手が問題を軽視したり、優位に立とうとしたりする可能性があります。適度な敬意を保ちつつ、対等な立場で話すようにしましょう。感謝から入り、具体例を挙げつつ、建設的な提案で締めるのが理想的です。
※トークの口調については適宜調整してくださいね!

まとめ

  • 避けるべきNGワード: 人格否定(冷たい、怖い)、決めつけ(いつも、みんな)、命令口調(やめて、直しなさい)。
  • 意識すべきポイント: 具体例を挙げ、行動や影響に焦点を当て、建設的な提案を交えて話す。穏やかで対等なトーンを保つ。
  • フォローアップ: 伝えた後も、相手の変化を観察し、良い変化があれば褒める。必要なら追加でサポートを提案。
以上を意識すると建設的な注意とフォローができるでしょう。
とはいえ人間同士ですので、完璧にコミュニケーションがとれたと思っていても「うまく伝わってなかった」ということがあります。進展がない場合には再度具体例を挙げつつ、「チーム全体の協力が得られにくい状況が続いている」ことを伝えましょう。態度が改善しない場合、リーダーであればその役割を一時的に減らす、新人教育・指導は別途スタッフにチェンジするなどの見直し措置を検討しましょう。またコミュニケーション研修やメンターをつけるなど、別の成長を促す方法を考えるも手です。
注意や指導は苦手だな…と感じる人も多いと思いますが、寄り添う姿勢を大切にして人が定着する職場を作り上げていけるとよいですね!

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この記事を書いた人

ヒトトセ編集室 A
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