こんにちは、ヒトトセ編集室です。
9月15日は敬老の日でしたね。高齢者のかたへの感謝を伝えるこの時期に、改めて「高齢者の方に喜んでいただける、お店のファンになっていただける」そんな接客について考えてみたいと思います。

みなさまもご存じだとはおもいますが、 日本の高齢者人口は増加傾向にあります。総務省の公表によりますと、65歳以上の高齢者の人口推計は3619万人で、総人口に占める割合（高齢化率）は29.4%。人口の3人に一人が高齢者という時代です。
また、2025年は、団塊の世代が後期高齢者（75歳以上）となり始める年であり、「2025年問題」と呼ばれる超高齢化社会への突入を意味します。この問題は、医療・介護サービスの需要増大や、社会保障制度への影響なども懸念されています。 

こうした背景の中で、接客の現場でも高齢者の方々との出会いは当然増えていきます。
ご年配のかたに安心してお買い物をしていただくために、どういった点に気を配り、どのように接客に取り入れれば喜んでいただけるのか、日ごろから気に留めておいても損ではありません！

実際の事例やスタッフ教育のポイントなど、皆様の接客のヒントになりましたら幸いです。

高齢者のかたへの接客：共感と配慮で生まれる自然な笑顔

高齢者の方は、老眼で文字が読みにくくなったり、言葉が聞き取りにくくなったりするなど、身体的な変化によるお困りごとをお持ちの方も多くいらっしゃいます。その内容は多岐にわたるため、接客ではそれぞれの相手の立場に立ったアプローチが必要です。ある小売チェーンが取り入れた高齢者のかたへ向けた接客の工夫で、顧客満足度が15%向上した事例もあります。

• ゆっくり、はっきりしたコミュニケーションを心がける
  声のトーンを穏やかに保ち、言葉を区切って話す。例: 「この商品をおすすめしますが、いかがでしょうか？」と確認を挟むことで、安心感を与えられます。
• 店内では視覚的・身体的なサポートを用意する
   商品説明時は大きな文字を使用し、読みやすいフォントにするなど気を配ったり、お客様の移動が難しい場合には椅子をお勧めしたりします。こうした配慮が、信頼を深めることに繋がります。
• 共感の言葉を添える:
  季節の話題など、軽い日常的な会話で接客をスムーズに運びます。

これらの工夫を取り入れていくうちに、接客が単なるやり取りではなく、お店とお客様の心の繋がりとして育っていきます。
当社のスタッフが行う接客でいただく「お褒めの言葉」の投書の中でも、ひときわ目を引くのは「お客様のお困りごとに気づいてフォローした」スタッフへのお言葉です。ちょっとした気遣いで、お客様の笑顔が広がっていくのは素敵な事ですね。

成功事例から学ぶ：多世代対応の現場ノウハウ

こうした基本を活かした現場では、どんな成果が生まれているのでしょうか？ 日本サービス大賞を受賞した企業では、高齢者のかたへの接客の工夫でリピート率が20%向上したケースがあります。具体的なストーリーを通じて、ポイントを探ってみましょう。

• 【事例1】自分のペースでセルフレジを使用できる専用ゾーン
  「優先レジ」「ゆっくりレジ」など、時間をせかされる事のない専用のゾーンを設けている店舗もあります。スタッフのフォローも手厚く、セルフレジにゆっくり慣れていきたいお客様のお困りごとを解決しています。店舗の雰囲気が和やかになり、リピート客が増える効果があったそうです。
• 【事例2】お困りごとに対するフォロー
   メニューやＰＯＰなどを大きな文字で表示、また店内のお客様に体調を気遣う声かけを実践した店舗で顧客満足度が向上したケースがあります。

高齢者接客が多世代の橋渡しとなり、店舗全体の魅力を高める効果もあります。あなたのお店ではどんな工夫ができるでしょうか。身近なご年配のかたへのお声がけで、どのような事に困っていらっしゃるか、アンケートを実施してみるのも良いかもしれません。

スタッフ教育のポイント：持続可能なクオリティアップ

事例を参考に、実際に現場で高齢者接客を根付かせるには、どうしたらいいでしょうか？ スタッフのスキルアップが鍵になります。楽しく続けられるポイントを、想像しながら見てみてください。

• ロールプレイングの活用:
  チーム内でシナリオを練習し、対応のタイミングを磨く。失敗談を共有しながら実践的に学べます。
• フィードバックの仕組み:
  毎日の振り返りで良かった点と改善点を共有。高齢者の方からの声を活用すると、モチベーションが上がります。
• 多様性意識の養成:
  世代の違いをテーマにしたワークショップを定期的に。新しいアイデアが生まれやすいです。

これらを継続すれば、お店とお客様の結びつきが発展していき、日常のやり取りがより豊かになります。みんなで笑顔を増やしていく、そんなイメージが湧いてきませんか？

接客の温かさを広げよう

敬老の日は、高齢者への感謝を表現する機会ですが、接客の現場では世代をつなぐ笑顔のきっかけにもなります。お客様の視点に立つことで、信頼が生まれ、接客の価値が実感できるはずです。接客は身近な存在だからこそ、かけがえのないもの。そんな魅力を、みんなで広げていきましょう。

私たちは、笑顔あふれる接客の世界を共に盛り上げていきたいと思っています。

ヒトトセでは、引き続き接客現場で役立つヒントをお届けします。どうぞお楽しみに。

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この記事を書いた人

ヒトトセ編集室 M

ヒトトセ編集室のアートデザイン・インフラなど
ポップなイラストを主に担当。

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