指導の基本!ソーシャルスタイル
こんにちは、ヒトトセ編集室です。
新しい仲間が加わり1ヶ月が経ちましたね。コミュニケーションも交わし、そろそろお互いのタイプやキャラクターを把握し始めているのではないでしょうか?
そして逆に「この人はどう接すればいいの!?」という悩みも出始めているころかもしれません。
今回は、指導とコミュニケーションの基本「ソーシャルスタイル」についてご紹介いたします!
目次
ソーシャルスタイルを見極める!
指導の悩みの中でも難しいのは個人の特性や相性です。「この人はしゃべり辛い」「この人はすんなり話を聞いてくれる」など、誰しも抱いたことがあるのではないでしょうか。
人にはそれぞれ、行動パターンやコミュニケーションスタイルが存在します。それらを分類する為のモデルを『ソーシャルスタイル』と呼び、大きく4つに分けられます。
ソーシャルスタイルは1968年にアメリカの産業心理学者であるデビッド・メリル氏が提唱した「円滑なコミュニケーション」をとるための理論です。
人の言動や思考を「自己主張」と「感情表現」の組み合わせで4つのタイプに分けています。
●ドライバー(Driver)スタイル:自己主張が強いが、感情をあまり表に出さないタイプ
●アナリスト(Analyst)スタイル:あまり自己主張はせず他人の意見を聴き、感情も出さないタイプ
●エクスプレッサー(Expresser)スタイル:自己主張が強く、感情も前面的に出していくタイプ
●エミアブル(Amiable)スタイル:あまり自己主張はしないが、感情は表に出すタイプ
ソーシャルスタイルの理解は、仕事上の人間関係だけでなくプライベートの関係構築にも役立ちます。他者のスタイルを理解し、コミュニケーションの問題解決に活用しましょう!
今回は、仕事の現場で起きる人間関係の悩みをソーシャルスタイルに当てはめ、解決方法の一例を考えてみました!
【スタイル別事例1】ドライバースタイル
【事例1】主張があるのはいいけれど…
リーダーシップのあるスタッフAさんは自分の意見を主張することが得意です。しかし時に横柄な物言いが目立つこともあります。本部で決めたルールを発信したところ、すぐに反論されてしまいました。冷静に正論を伝えても、納得してもらうことはできませんでした…。
【解決例】結果に焦点を置いた話を心がけて!
自己主張が強く即行動に出ることから、Aさんはドライバースタイルと判別します。ご自身の実績や経験に自信があり、なかなか外部の意見を受け入れづらいようです。良くも悪くもプライドが高い一面があるので、人から指示されることを嫌います。しかし、結果が出ることにはモチベーションを高く持って取り組むことができるので、発信した内容の意図よりも、結果に焦点を置いて話をするとよいでしょう。
また、自己主張もしっかりされる方なので、反論の意図も聞いたうえで話すほうが受け入れてもらいやすいと言えます。
【スタイル別事例2】アナリストスタイル
【事例2】完璧だけど時間がかかる!
仕事の完成度が高いスタッフBさん。できあがった資料はとても分かりやすいのですが、時間がかかってしまうので、完成度より残業時間を減らしてほしいところです。何度か話してみたものの「手抜きはしたくない」の一点張りで改善が見られません…。
【解決例】具体的な対策を一緒に考えましょう!
完璧主義の傾向からBさんはアナリストスタイルと判別します。データ分析やその場の正確な仕事には向いていますが、全体の工程や状況を俯瞰で見ることやTPOにあわせた臨機応変な対応は苦手としています。そのため「早めにうまくやって」と言われれば言われるほど混乱し遅れを招くので、具体的な対策を一緒に考えるのがベストです。
また、ひとつの作業に集中する傾向もあり、売場で作業をすると接客との両立ができないこともあります。しっかりと役割を担える環境設定と、本人にもご自身の特性を理解させることでトラブルを防げるかもしれません。
【スタイル別事例3】エクスプレッサースタイル
【事例3】ムードメーカーだけどルーティン業務が苦手!
楽しく仕事をすることを大事にしているスタッフCさん。人と接することが好きでお客様からの評判も良く、いつも明るく元気なので職場の雰囲気も良いです。またアイデア出しや意見も積極的に提案してくれます。しかし毎月決まった提出物がいつも遅れ、催促をしてもなかなか改善されません。ルーティン業務に関しても消極的にならず正確な仕事をしてほしいところです。
【解決例】細かいステップを設定し、習慣化するまで見届けましょう!
好奇心旺盛で場を盛り上げるのが得意なCさんはエクスプレッサースタイルと判別します。短期的な目標や興味を持ったことには集中し、高いモチベーションを維持できますが、他のことには注意を向けにくいことがあります。また長期的な目標にはモチベーションを保ちにくく、細かいディテールやタスクの管理が苦手傾向なため、定期的にコミュニケーションをとる必要があります。ルーティン業務は期日までに正確に提出できるようになるまで、細かいステップを設定し習慣化するまで見届けましょう。長期的な目標も同様に短期的なステップを設定し、達成感を持ってもらうのもいいですね!
【スタイル別事例4】エミアブルスタイル
【事例4】優しい良い人だけど…
親しみやすく友好的な態度で人と接することができるスタッフDさんは、いつも店舗のスタッフから頼られ、良好な人間関係を築いています。しかしルールを守っていない従業員に対して、注意することができません。チーフとして的確に言葉で伝え、リーダシップを発揮してほしいです。
【解決例】明確な目標設定をし、それに向けた行動計画を作成しましょう!
他人との調和を重視することから、Dさんはエミアブルスタイルと判別します。自分の意見は持っていますが、それを人に伝えることが苦手です。また他人を優先して自分の意見を封じ、妥協する傾向があります。最終的に「自分さえ我慢していれば丸く収まる」という自己犠牲的な考えに至る場合もあります。
自己発信のスキルを向上させるため、明確な目標設定をしてそれに向けた行動計画を作成します。その目標のために、ルールを守っていない人には注意をしなければいけないことを理解してもらいましょう。そのうえでどの様に注意するのが適切なのか、合意や共感を大事にしながら改善してもらうという話し方のスキルを習得させると良いでしょう。
効果的な指導をするためのひとつの指標に!
事例スタイルに挙げた行動や傾向は一部です。必ずしもそのスタイルの方に同様の行動や傾向があるわけではありません。
また、コミュニケーションスタイルがはっきりと分かれているとは限らないということにも注意しましょう。なかには2つ以上のスタイルが混ざっている方もいます。そして、このスタイルはその時々や環境によっても変化するということを理解し、どの特徴が行動や言動に出ているかによって使い分けましょう。解説に記載したように、各スタイルの苦手を克服することで問題を解決することができます。
どのようなタイプの人であっても、安心して何でも話し合えるという信頼関係の上に円滑な指導が成り立ちます。辛抱強く話を聞き、タイプを見極め、効果的な指導をそれぞれに見つけていきましょう。大変ではありますが偏った指導だけでは得られない効果が期待できるはずです。
異なる年齢・価値観・経験の方が、同じ職場で一様に成果を出すことは一筋縄ではいきません。またトレーナーが単独で円滑に指導を遂行するには様々な知識と経験が求められ、労力を要するでしょう。しかし容易に採用ができない今だからこそ、現在職場を共にするスタッフを大事にすることが求められます。今一度教育を見直し、しっかり組み立てていきましょう!
この記事を書いた人
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笑顔で日本を元気にします! ヒトトセ編集室です!
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